2007年09月17日

東京セレソンDX「歌姫」

もういいだけ、時間が経ってしまったので。
そろそろ何か書いておこうかと。

ネタバレ、思いっ切りしてます。
連続ドラマも始まろうとしてますので…
何も知りたくない方は、読み進めないようにお気をつけください。

…よろしいでしょうか?
では。

「歌姫」
舞台は昭和30年代の高知県土佐清水。
オリオン座という小さな映画館でのお話。
映画館を切り盛りする、家族と一人の男。
男の名は四万十太郎。
太郎を慕う映画館の娘、鈴。
2人の恋と、彼らを取り巻くいろいろ。
2人の恋は叶うのか…。

物語は現代から始まります。

すっかり寂れ、女主人だった鈴が亡くなり閉館することになったオリオン座。
慌しく、片付けをする鈴の息子・佳一郎とその娘・ルリ子。
そこに一組の親子、母親・ひばりと息子・旭が現れ…
どうやらひばりは亡くなった自分の父親の面影を辿っているらしい。
そんな母親に旭は「母さんはじいさんを嫌ってたのに今さら…」と悪態をつく。
ひばりは
「違う!おじいちゃんが母さんのことを嫌っていたのよ!」と返す。

オリオン座、最後の上映作品はジェームス太郎の作った「歌姫」
これを最後に上映することが鈴の遺言だった。

慌しく準備する中、古いアルバムを開くひばり…
すると不思議なことに死んだはずの父親が姿を現し…
過去へと遡っていく…


◆このタイムスリップの演出。
衝撃的でした。
開始10分足らずでこのシーンだったのですが…すっかり鳥肌。
スモークたいて、登場人物がゆっくりゆっくり舞台に上がってくる。
印象的な音楽に合わせ、ゆっくりゆっくり。
今思い出しても鳥肌です。


オリオン座が賑わっていた頃…
鈴と太郎は、毎日ケンカしつつも淡い思いを抱き合っていた。
でもそんなことはお互いに素振りも見せない。
鈴の両親、向かいでスナックを営むメリー、漁師のゲルマン
遍路学生で映画好きの神宮寺、旅館を営む鯖子、メリーの恋人ロシア、
出産のために里帰りした鈴の姉・泉と亭主。
周りはそんな2人を素直じゃないんだからと、温かく見守っていた。

いろいろな事件があってお互いへの思いに気づき始める2人。
しかし、2人を取り巻く状況は大きく変わろうとしていた。

鈴に思いを寄せるチンピラ・クロワッサンの松。
彼は鈴のためなら組を抜けて堅気になると宣言する。
その松に脅されているところを太郎に助けられた名士。
名士は太郎を自分の知っている青年ではないかと疑う。
しかし記憶を失くしている太郎には何のことかわからない。
ある日、名士は一人の女性をオリオン座に連れてくる…。

そんな状況にやきもきし、鈴に愛を告げよプロポーズせよと急かす神宮寺。
太郎は
「記憶を失くす前は人殺しやったかもしれんのに、
そんな男が鈴を幸せにできるがか!」
太郎の余りに深い鈴への愛に、言葉を失う神宮寺。
「そんなことを思うて、生きてきたがですか…」

それでも。

太郎は鈴に思いを打ち明けようとする。
何かに追われるように。
しかし、何をどう伝えたらいいかわからない。
そこで映画好きでジェームス・ディーンかぶれの神宮寺とともに
脚本を書いて、その通りに鈴に伝えようとする。
港に鈴を呼び出してーなどと盛り上がっているところに…
名士が連れてきた女性・美和子が話したいとやってくる。

たわいもないおしゃべりを始める太郎と美和子。
その中で美和子は
「実は…私、戦争未亡人ながです」
「主人は戦争へ行ったきり。生きちゅうがか、死んじゅうがか…」
気丈にも明るく話す美和子に太郎は
「本当に愛し、愛され…思いおうてきた男と女は…」
「またいつか必ず巡り合うもんぜ」
こう言って励ます。
美和子「本当に本当に巡り合うろうか?」
太郎「…ああ。巡り合う」
美和子「…あんたがその男ながよ。」
「ウチが心の底から思うてきた男は、あんたながよ」

ここから物語は静かにも急展開。
太郎と美和子、名士や鈴の両親も交えての話し合い。
大学を出て、美和子と学生結婚をし娘がいる。
元の自分に半信半疑の太郎。
ギクシャクする鈴との仲。
うろたえる鈴をそっと元気づける泉。
鈴は太郎の帰りを待つ…。

そんな太郎と鈴の姿に、美和子は太郎を諦めて高知に帰ると言う。
「無理矢理連れて帰っても…」
「本気で思いおうた男と女は、離れてもまた必ず巡り合う」
「そうあの人が言うたがやき。ここまで待ったがやき…私は待ちゆうき」

折からの雨は嵐に変わり…落雷。
この落雷で太郎は全てを思い出し…記憶を失っている間のことを忘れてしまう。
鈴への愛も…忘れてしまう。

別れの日。
鈴と太郎はぎこちなく言葉を交わす。
鈴はオリオン座での記憶のない太郎にこれまでのことを話して聞かせる。
その内容に太郎は言う
「もしかして君と僕は…お互いに思い…」
それを遮って鈴は明るく
「太郎ちゃんは、私をうんとかわいがってくれよりました!…妹のように」
涙をこらえきれず飛び出していく鈴。

入れ替わりにやってくるジェームス。
ジェームスの前のいる太郎は…オリオン座での太郎そのもの。
まさか…と疑うジェームス。
太郎はジェームスが欲しがっていた帽子を彼の頭にかぶせながら…
オリオン座での記憶があるという事実を告げる。
だったらなぜ、呆然とするジェームス。

太郎「俺のことを知らん俺の娘がにゃあ!天国のおとうに聞かせる言うて歌うがやと」
「まだほんの子どもやのに…」
「いつか日本一の歌姫になったら天国のおとうに聞こえるろうか言うて」
「俺はそれを聞いた時に…グッときたぜよ!!!」
「俺は娘のために帰って、これまでの空白を埋めてやりたい」
「だから帰る」

そして太郎は、記憶があることを他の誰にも悟らせずにその後を生きた。

現代。
「歌姫」の上映が終わり、ひばりは父の愛に涙する。
そんな母親に「何?泣いてんの?」と悪態をつく旭。
ここで初めて顔を合わすルリ子と旭。
一瞬にして惹かれあう2人。

「本当に愛し、愛され…思いおうてきた男と女は…」
「またいつか必ず巡り合うもんぜ」

完。

…。
すみません。
もうこれ以上は無理でした。
観た人にしか伝わらない内容になってしまいましたが…。

鈴の気丈で一途な愛。
美和子の待ち続ける愛。
太郎ちゃんの心の底からの愛。

今回もたくさんの形の愛を見せてもらいました。

観た当初は鈴の愛情に心が入り込んでいたので…
突然現れて太郎ちゃんに真実を告げた美和子が憎たらしかったのですが。
今、こうして思い出してみて…
やっぱり鈴のかわいさに入り込んでしまいますが(笑)
でも待ち続けて待ち続けて…
そして見つかっても無理に連れ帰ろうとせず、尚も待とうとした美和子。
その思いには、やはり胸を打たれます。
愛って無償なんですよね…。

そしてやはり太郎ちゃん。
今回も古き良き時代のいい男の代表でした。
心も腕っ節も強くて、深い愛情を持っている。
そりゃ、鈴も美和子も惚れるってば…。

「歌姫」、素敵な作品でした。
ドラマ化…ちょっとなんだかなーと思っていましたが。
先日の予告を見て、期待が大きくなってきました。
舞台とは切り離して、楽しもうと思います。
(だって太郎ちゃんは宅間さん意外ありえないもの)
posted by てぃー at 02:09| Comment(11) | 私とセレソン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです〜。
タイムスリップの演出、同じく鳥肌立っちゃいました。
あそこで、ぐわーっと同じ時代に自分もタイムスリップしちゃうんですよね。
娘のために帰る決意を決めた太郎ちゃんがジェームスに
だけ両方の記憶があることを伝えた時、涙がとまりませんでした。
土佐の言葉もあったかくて良かったです。ほんとに素敵な舞台でした。

予告流れたんですか!!長瀬くんの太郎ちゃん、楽しみです。
Posted by みかん at 2007年09月17日 10:37
初めまして〜、「歌姫」のストーリーが知りたくていろいろ見ているうちにてぃーさんの日記にたどりついてしまいました。てぃーさんのストーリー紹介を読むだけでもうすっかり泣きそうですよ〜。私はきっちりしっかりすっかりどっぷり長瀬ファンなので太郎ちゃんはもう彼でしかありえないのですが、どうか宅間さんやセレソンのファンの方々もがっかりさせないドラマになればいいなぁと不安や期待や入り混じった気持ちもあります。土佐の雄大なロケーションのもと素敵なTVになりますように・・・。
Posted by エィミー at 2007年09月17日 21:48
うぅ・・・
読んでいたら、思い出して泣けてきちゃいました(;_;)
鈴のかわいさったら無かったですもの。
てぃーさんの言うとおり、美和子の愛にも泣けてしまうんですよねぇ。
ほんとに心に響くお芝居でしたよね。
土佐弁聴くと、うっかり思い出して涙ぐんでます(笑)

ドラマは一体どうなるのか。
私も、太郎ちゃんは宅間さんしかいないと思いますが!
長瀬くんも期待してみようと思ってます。
Posted by のりえもん at 2007年09月17日 22:14
☆みかんさん
お久しぶりですー!
あ!やはりタイムスリップでやられましたか!
私はああいう演出は初めて観たので感動しましたよ。
今も思い出し鳥肌です(笑)
ジェームスに打ち明ける場面は、やっぱりか!
と思いつつも涙でしたよね。
土佐弁、あったかいですか?嬉しいなー。
早口でやり取りしてるとケンカと間違われますが…。

ドラマも楽しみにして間違いないと思いますよ!
Posted by てぃー at 2007年09月17日 23:35
☆エィミーさん
初めまして、コメントありがとうございます。
…だ、大丈夫ですか?結末まで書いてますけど…。
でもまあ舞台と全く同じとは限りませんものね…。

長瀬さん主演のドラマは面白いのでよく見ます。
昔から素敵な俳優さんだと思っていたので、
楽しみにしています。
あの太郎ちゃんが長瀬さんの手にかかったらどうなるのか…。
それに、長瀬さんと宅間さんは共演したこともありますもの。
きっと素敵な太郎ちゃんになることでしょう。
Posted by てぃー at 2007年09月17日 23:44
☆のりえもんさん
ねえ…いいですよね、「歌姫」
昨夜自分で書いてて泣けてきました(笑)
あの鈴のかわいさったらないですよね。
サルとからかわれている時の顔もかわいいもの。
鈴、美和子、太郎…どの愛にも納得ができて…
何かを選ばなければならないのがつらかった。

宅間さんの太郎ちゃんと鈴の年の差(微妙…)が
よかったんですよね。
長瀬さんの太郎ちゃんはそれより若いもの〜。
どうなるのか楽しみです。
Posted by てぃー at 2007年09月17日 23:52
私も見ました!「歌姫」。
実は小劇場初体験でして、どきどきだったんです。
夜の新宿一人歩きも初めてで。
でも「しげちゃんと洋ちゃんがそんなに絶賛するなら見ねば!」と決意したのでした。
本当に見に行ってよかったなぁ、と思わせてもらえました・・・。

ドラマ、脚本はサタケさんですし、期待したいと思います!
Posted by はなお at 2007年09月19日 17:44
☆はなおさん
セレソンさん素敵だったでしょう?
夜の新宿を乗り越えて観に行かれてよかったですね。
ドラマも楽しみですよねー。
長瀬さんの太郎ちゃん、今からワクワクしています。
ドラマの公式HPであらすじを読みました。
やはりお芝居とは少し違うようですよ。
Posted by てぃー at 2007年09月20日 01:43
>「本当に愛し、愛され…思いおうてきた男と女は…」
「またいつか必ず巡り合うもんぜ」

鈴ちゃんと太郎はルリ子と旭(っすごい名前)に姿を変えて何十年のときを隔ててまた巡り合ったんですね?
ひゃ〜〜、楽しみだわ〜
べたなのもいいです、お洒落じゃなくても知識人たちに受けなくても、な〜んかいいです。

宅間さんは、私にとっては「若頭の日向さん」なのでしばし「タイガー&ドラゴン」を再生してはふたりの並んだ姿を楽しんでいます。

はぁ〜、早く見たいわ〜
Posted by エィミー at 2007年09月22日 19:37
☆エィミーさん
そうなのです。
ベタな展開で途中から「もしや…」と思いつつ、
いざ想像通りの展開がくると「やっぱりかー!!」と
やられてしまうのがサタケさんの脚本なのです。
ドラマの方がどうなるのかはわかりませんが。
やっぱりやられることは想像できます。

私も一番最初のセレソンさんでは宅間さんは
「若頭の日向さん」でしたよー。
あの結婚式のシーンが(笑)
久々にタイガー&ドラゴン、見てみようと思います。
Posted by てぃー at 2007年09月24日 22:31
エグザイルのメンバー主演で、この4月から上演の舞台のあらすじが、いがいとどこにも無くてこちらに辿り着きました。
舞台が目の前に展開されているようでした。
大変わかりやすく素敵な文章でした。
Posted by 坂上 廣代美 at 2014年03月20日 14:44
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。